本記事では、実写ドラマ「岸辺露伴は動かない」の感想と評価をまとめています。
実写化ドラマとしてはすこぶる評判が高い本作ですが、なぜ成功したのか?も考察してみました。
『岸辺露伴は動かない』のキャスト情報
- 岸辺露伴:高橋一生
- 泉京香:飯豊まりえ
- 一究:柴崎楓雅
- 志士十五:森山未來
- 片平真依:瀧内久美
- 平井太郎:中村倫也
『岸辺露伴は動かない』の感想と評価。成功した理由とは?
「岸辺露伴」のイメージをテレビ向けに再現した本作品ですが、シンプルにこれはスゴイッ!と感動しました。
成功の理由1:衣装の再現度が絶妙
JOJOの岸辺露伴と言えば
- 奇抜なグリーンヘア
- ギザギザのヘアバンド
- 短めのトップスにグリーンのライン
が浮かびます。
これをテレビドラマの半現実の世界で再現するのは難しいことです。
マンガでは世界観を全て変更し、平面的な表現ですが、立体化すると違和感が出たり、単なるコスプレで終わります。
今回はあえて岸辺露伴のファッションをテレビ向けに抑えてあります!
全身はモノトーン、ただし髪型は同じ、ヘアバンドは目立たない黒色です。
ただしJOJOっぽさを出すためにあえて変わったデザインを取り入れ、アンシンメトリーなシャツやダボつきのあるパンツを着用しています。
それでも「肝心な部分」が抑えてあるのが好印象です!
耳にはペン先モチーフのピアス。これは漫画家である露伴のシンボルです。
ギザギザのバンダナも再現しており、常人ではない雰囲気を出しています。
アメリカの有名な漫画「X-MEN」が映画化される際、黄色いタイツだの青いパワードスーツを着込んだおかしい人々をどう表現するのだろうと多くのファンが心配しました。
結果的に映画に登場した「X-MEN」は全員、黒色のスーツ。
完全にスタイリッシュな形でリリースされたことに、監督や演出の技があるのです。
「岸辺露伴は動かない」はJOJOの世界観を残しながらも、テレビ用にリメイク、スタイリッシュに表現されました。
これは素人では出来ないスゴ技です。感服しました!
成功の理由2:高橋一生氏の「露伴」ぶりが素晴らしィ!
さらに恐ろしいのは、あの岸辺露伴というアクの強いキャラクターを高橋一生氏がファンが納得するレベルに仕上げたことでしょう!
岸辺露伴は漫画家ですが、歩く問題児と言っても過言ではないアクの強い人物です。
自分の漫画に極限までのリアルを追求し、連載のためにアスリート並みの筋力を備え、それゆえに自分の作品に絶対的な自信を持つ、鼻もちならない人物……。
傲慢、神経質、繊細、不遜。そういった性格を高橋一生氏は「作品のために一生を捧げた人間」として解釈したとインタビューで答えています。
そのため、台詞から仕草までしっかり岸辺露伴しています!
- 「じゃあないかッ!」(じゃあ、がポイント)
- 「おい、おいおいおいおいおい……」(この連続する台詞も再現!)
- 「この岸辺露伴がッ!」(小さい「ツ」が入りますね!)
耳でわかるほど、正確に再現されています。
ちなみに「日本語字幕」で表示させると表記までしっかり原作通りだったとか。
かなり読み込んで演技してくれたのでしょうか。
JOJOファンはこれをかなり納得して今回受け入れています!
結論「JOJOの世界観をテレビドラマ向けに作り上げたことが凄い」
今回は脚本を小林靖子氏が手がけています。
実は彼女は知る人ぞ知る有名人。
平成仮面ライダーでは「龍騎」「電王」「オーズ」の大ヒット作の脚本を手掛け、同時にアニメ版JOJOのほとんどの作品の脚本を担当しています。
特撮とアニメを知り、なおかつヒット作を生み出す彼女だからこそ、今回のバランス加減が絶妙だったのかもしれません。
本作を見て、漫画のほうも読みたいと思った場合は
- 「富豪村」:ジャンプコミックス「岸辺露伴は動かない」1巻収録
- 「DNA」:ジャンプコミックス「岸辺露伴は動かない」2巻収録
- 「くしゃがら」:ジャンプJブックス「岸辺露伴は叫ばない」短編小説集
一話と三話は荒木飛呂彦先生の原作ですが、二話は北國ばらっど氏の短編小説となっています。
現在入手可能な書籍ばかりですので、ぜひ触れてみて下さい!
「岸辺露伴は動かない」のタイトル由来は「何もしていない」から!
「岸辺露伴は動かない」、このタイトルは少し不思議ですね。
少し丁寧に解説していきましょう!
岸辺露伴は漫画家であり、同時に超能力者でもあります。
この超能力は、本編「ジョジョの奇妙な冒険」において「スタンド」と呼ばれていますが、ドラマ内では「ギフト」と露伴に説明されています。
「ギフト」とはつまり「天啓」や「才能」です。
劇中で彼が叫ぶ、超能力が「ヘブンズドア」です。
「天国への扉」とされるこの能力は、「他人を書物に変え、記憶を読むことが出来る」という能力です。
なおかつ「ペンで他人の書物に書き込むと、その通りの行動をする」という離れ業をすることも出来ます。
第一話「富豪村」では、最終的に露伴は一究のページに『畳の淵を踏む』と書き込みました。
結果、一究はマナー違反をおかし、露伴と泉は脱出に成功します。
第二話「くしゃがら」。
最初は『くしゃがらを忘れる』と書いたものの、何故かそれは書き込み出来ません。
「くしゃがら」はそれ自身が呪詛のような存在だったのです。
露伴は最終的に『ここ一か月の記憶を全て忘れる』と志士に書き込み、「くしゃがら」をら断ち切ります。
第三話「DNA」。
露伴は平井太郎、片平真依・真央(と泉)を「本」にして、「平井太郎は第二の命を受け、その源は真依の夫であった」ことを悟ります。
その後、真依は平井と会話をし、平井が自分の過去の恋人と同じ口癖を使うことから、彼が何者かを知るのです。
岸辺露伴は「ヘブンズドア」は行使しますが、全話通じて何も行いません。
第一話の「富豪村」はそのままですし、第二話の「くしゃがら」についても、今後絶対に避けるようにしただけです。
第三話についても、謎を知っただけで直接問題の解決を行うことはありません。
彼は絶対的な合理主義で、自分の得にならないことはしないのです。
この「得」はもちろん、自分の漫画のためになることしかありません。
だからこそ、「岸辺露伴は動かない」であることがわかります。
『岸辺露伴は動かない』あらすじや見どころ
「岸辺露伴は動かない」のあらすじや見どころをエピソードごとに紹介しています。
ネタバレも含んでいるため、見たくない場合は飛ばしてくださいね。
1話「富豪村」のあらすじとネタバレ
売れっ子漫画家・岸辺露伴。
彼は新人の編集者・泉京香(いずみ・きょうか)の提案で、ある土地の「別荘」を取材することに。
山奥のわずか数十軒の邸宅が並ぶ村に、その別荘がありました。この村の住人は全員、いわゆる大金持ち。
全員この土地に別荘を購入後、巨万の富を得ていたのです。
露伴と泉は別荘の話をするため、村の代表者の邸宅を訪れます。
玄関に現れたのは男の子で、名前は一究(いっきゅう)。
泉は「ここの代表者は異常なまでマナーに厳しい」と情報を得ており、露伴にマナー違反をしないように言い含めるのでした。
ところが、泉自身がティーカップの持ち方を間違え、マナー違反をおかしてしまいます。
一究は「お引き取り下さい」とあしらうものの、泉は「もう一度トライしたい」と強く希望しました。
「土地を敬う者には富を、敬わない者からは、大事なものを奪う」
一究はルールを泉に伝え、再トライを了承します。
その瞬間、泉の携帯電話に愛犬の容態が急変した連絡が入ります。
これにより更にマナー違反を犯した泉は、さらに恋人まで事故に巻き込みました。
露伴はここで自分の能力である「天国への扉(ヘブンズドア)」を使用。
泉と一究の意識を停止させ、一究の「本」を開きます。
そこには、一究が山の主に仕えていること、そしてマナー違反を許さないことが記載されていました。
露伴たちは、「山の神」とも言うべき存在を相手にしてしまったのです……。
「他人の秘密を読むのは、マナー違反」
一究の「本」にはそう書かれており、露伴は漫画家の命である右腕が動かなくなります。
露伴は自分の右腕を奪還し、泉を救うため再トライを一究に申し出ます!
2話「くしゃがら」のあらすじとネタバレ
とある大学教授が、あまりにも研究に没頭したため室内で餓死——。
露伴はラジオから流れてきたその情報に興味を持ちます。
彼はそのまま外出し、漫画の構想を練りにカフェへと足を運びました。
露伴がひとりで構想を考えているところに、同じ「少年ジャンボ」で人気連載を持つ漫画家・志士十五(しし・じゅうご)が現れます。
彼は露伴の嫌がる様子を無視して相席、勝手に話を始めました。
志士は最近、担当編集者からとある資料を渡されたと言います。
それは「NGワード集」。
漫画では使用を避けてほしい、という言葉を集めたものでした。
露伴は一応目を通しますが、「くしゃがら」という項目に何も理由や捕捉がされていないことに気が付きました。
志士も同様、「くしゃがら」について何も知らず、ここ数日は「くしゃがら」について調べていると答えます。
露伴と別れた志士は、「くしゃがら」が気になって仕方がないという強迫観念に取りつかれ、次第に狂気の様相を帯び始めます。
やがて彼は露伴の邸宅に足を運び、「くしゃがら」について意味不明な言動を発しながら露伴に襲い掛かりました!
そのとき、露伴は彼の口の内部に黒い粘着質の生き物を発見します。
露伴は志士に「ヘブンズドア」を仕掛け、志士の意識の内部を覗き見ることに。
志士の人生の「本」は「くしゃがら」に塗りつぶされ、さらにそこには黒い粘着質の小さな袋とじが出来ていました!
その生き物は「くしゃがら」「くしゃがら」と唱えながら、露伴にも憑りつこうとしていたのです……!
3話「DNA」のあらすじとネタバレ
編集者・泉の恋人は元カメラマン・平井太郎(ひらい・たろう)でした。
しかし大きな事故に遭遇したあとは人格そのものが変わり、作品にも魅力が消えてしまいます。
泉が露伴に太郎を紹介している最中、太郎は母親の腕の中にいる少女に引っ張られ、転倒してしまいます。
念のため太郎と露伴たち、そして母子は病院へ向かうことに。
太郎を呼び止めた少女は片平真央(かたひら・まお)。
母親は片平真依(かたひら・まい)という女性で、父は交通事故ですでに故人となっていました。
露伴は真央に奇妙な能力があることに気づきます。
それを指摘された真依は、真央の異変を見て欲しいと願い、自宅に招き入れました。
露伴は真央の部屋に入り、彼女を「本」にします。
確かに真央は「言葉を反対にしか喋らない」、「左右の目の色が違う」という奇妙な点はありました。
しかし露伴は真依に「彼女は異常ではない。個性だ」と告げるのです。
そもそも普通とは何か。真依の個性は異常ではないと露伴は断定したのです。
その隙に真央は姿を消し、公園へ。
そこには何故か病院を抜け出していた、平井太郎もいました。
平井太郎に懐く真央。そこに再びトラックが通りかかります。
露伴は「ヘブンズドア」を使用し、トラックの事故から太郎、真央そして真依を救うことに成功します。
そして太郎の「本」と母子の「本」に全く同じページがあることに気が付くのです……。
平井太郎はとある事故で生死を彷徨い、臓器提供を受けた過去がありました。
露伴は悟ります。
平井太郎はすでに過去のカメラマンの男ではなく、新たな命を受けた真依・真央の家族であると……。
まとめ
実写ドラマ「岸辺露伴は動かない」の感想と評価のまとめについて記載してきました。
成功作品である!と評価の高い本作品ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。